【第1回】働く人たちのワクワクする想いを引き出したい! 法学部政治経済学科 昭和56年卒業 自在株式会社 代表取締役 根本 英明氏 第1回の「活躍するOB・OGたち」は法学部政治経済学科を卒業した根本英明氏にお話を伺いました。 根本氏は豊富な人材教育のキャリアを生かして横浜市中区で企業の教育研修と編集を手掛ける自在(株)を運営しています。 大学卒業後の進路はどのように決めて進みましたか? 私は学部卒業後、引き続き法学専攻科に進みました。専攻科修了後は、恩師の杉山逸男先生の薦めで日本ILO協会に入職しました。当時、ILO協会の常務理事・事務局長だった工藤幸男氏も法学部の大先輩でしたね。 在職中はアジア太平洋地域へ日本の政労使リーダーの方々を講師として派遣したり、アジア、アフリカ、中南米といった開発途上国から技能研修生を受け入れて研修センターで生活指導をするといった仕事を担当しました。 その後、日本能率協会へ転職し18年間勤務しました。日本能率協会での前半9年間は、企業の管理者教育を中心に階層別教育や人事・人材開発担当者を対象としたセミナーや大会、シンポジウムの企画開発、運営に携わりました。後半9年間は月刊誌「人材教育」の編集長を務めました。こうした仕事を通じて組織の人材育成や能力開発が私の専門分野となりました。 月刊誌の編集長時代はなかなか休みも取れず多忙な毎日でしたが、組織の活性化や人材育成のあり方に対して日頃抱える想いや問題意識をメンバーたちと議論を交わしながら企画を組んだりしたことは、やりがいを感じ、面白かったですね。 仕事がら大企業のトップに会えることがあり勉強になることも多かったです。 現在の仕事についてお話下さい。 5年前の平成19年、これまで携わってきた人材開発プログラムやセミナー企画、月刊誌編集の経験を活かして、新しい事業を創造したいという想いから起業しました。社名の「自在」とは、何事にも束縛されず、心の欲するままに自由になしうることで、仏教では仏のことを自在人とも言うそうです。 働く人々が、お互いに協力し合いながら自らの強みや潜在力を充分に発揮することで、組織やチームの相乗効果も上がり、結果として社会も豊かになり幸福になっていく――そんな姿を理想としてこの社名を付けました。 具体的には、教育研修と編集を主な業務にしています。 教育研修では、組織に所属する一人ひとりのマインドが変わり、クライアント様の会社や組織がいきいきと輝くために、共に考えサポートしていく姿勢で企画提案、実施させていただきます。 編集では、広報誌、月刊誌、教材テキスト、単行本などを手掛けています。 私は横浜商科大学で「キャリアデザイン」の講師を務めていますが、大学からの要望で、横浜中華街をテーマとした「中華街まちなかキャンパス」という講座の企画に関わり、この講座のコーディネータも務めています。講座では毎回、中華街に生まれ育ち、街づくりに携わった方や歴史・文化に精通した方々を講師として招き、お話を伺っています。 先般、この講義内容を『横浜中華街の世界』という本にして出版しました。横浜開港から現在の街に至るまでの話や、横浜と関わりのあった孫文の話など、幅広く、そして深く中華街を知ることが出来る内容となっています。ちなみに私の祖父も横浜で孫文と交流があったそうで、一緒に写った写真もあります。 併せて横浜商科大学が開講している「野毛まちなかキャンパス」という講座も『横浜・野毛の商いと文化』という本にまとめました。 これらの本を編集していく過程で、中華街の街づくりのリーダーや野毛大道芸の仕掛け人が母校の出身者であることを知り、お互いに打ちとけるのも早いという場面もありました。
学生時代はどんなことをやっていましたか? 大学では雄弁会に所属し、4年の時に幹事長を務めました。私が大学に入学した昭和52年には雄弁会は既に10年程前に途絶えており、当時1年生だった数人の仲間とこのクラブを復活させたかたちです。 もともと日大雄弁会は小泉純一郎氏の父小泉純也氏や小沢一郎氏の父小沢佐重喜氏も所属し、多くの政治家を輩出した伝統あるクラブでした。 10年間のブランクがあったわけですが、既に社会人として会社に勤めている10歳以上離れたOBたちが、毎週法学部の大宮校舎までやってきて、我々の指導に当たっていただき、大変お世話になりました。 私が4年生の時には当時首相候補の一人とされていた本学出身の河本敏夫氏を招聘して講演会を開催したこともあり、いい想い出です。 日本大学の校友会に参加されて感じていることをお話し下さい。 最初の勤務先が恩師からの紹介であり、現在、講師を務めている横浜商科大学も校友とのご縁がきっかけでした。どの部分がと特定できないほど私のバックグラウンドには日本大学があり、校友とは関わりを持っていると感じています。 これからやりたいことをお話し下さい。 営利、非営利を問わず、組織のリーダーやそこで活動する人々に対してリーダーシップ教育ならびに組織開発に力を注いでいきたいと思っています。 1.リーダーシップとは、進むべき未来の姿をいきいきと思い描くことで、人々を鼓舞し、協働を促し、メンバー自らが力を得て進んで行こうとするものです。これは地位や肩書に由来するものではありません。 社会が複雑化し、先の見えにくい現在、リーダーシップ育成は一部の人たちだけではなく、すべての人にとって共通の問題です。リーダーになる可能性は誰にでもあります。どうすればリーダーシップを発揮できるようになるか、その磨き方や方法をワークショップや講演を通じて多くの人々に普及していきたいと考えています。 2.組織開発とは、沈滞した組織を一人ひとりがいきいきと輝く組織へと蘇生、発展させていく計画的、継続的な働きかけをする取り組みのことですが、この変革へのプロセスをサポートしていきたいと思っています。 訪問を終えて 本学の卒業生は会社経営者や病院、歯科医院の院長も多いと思います。皆さん従業員や一緒に働く人たちのモチベーションアップに苦労されているのではないでしょうか。 根本氏は人材育成に長年の経験と実績をお持ちです。気さくなお人柄で校友からの相談には気軽に応じていただけると思いますので、職場のモチベーションアップやコミュニケーションの改善を考えている方は相談してみると良いと思います。 根本氏が編集した本はアマゾンから購入できます。 自在株式会社
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