ホーム活躍するOB・OGたち  第43回

第43回 堅実に顧客を開拓、社員400名以上のグループ企業に成長

エクシオジャパン 代表取締役 但野 光良氏理工学部電気工学科 昭和47年卒業
法学部法律学科 昭和49年卒業
株式会社エクシオジャパン
代表取締役 但野 光良氏

設立して45年。相模原市を中心に電気設備の保守点検・不動産・介護福祉・保険業を運営する株式会社エクシオジャパン代表取締役の但野光良氏にお話しを伺いました。

進路はどのようにして決めて進みましたか?

株式会社エクシオジャパンと代表取締役但野光良氏
社長室にて執務する但野氏

私は福島県南相馬の出身です。大学には中学生の頃から進学したいと思っていたのですが、家が裕福でなかったため、就職に有利な地元の工業高校に進学し、卒業後は三菱系のエレベーター会社に就職しました。その会社に2年間勤めた後、退職し、エンジニアを目指して日大理工学部電気工学科に進学しました。工業高校も電気科でしたし、電気なら就職にも困らずつぶしが聞くだろうということで専攻を決めました。
親には高校まで行かせてもらえましたが、そのあとは自分で学費を稼いで学ぼうと、全日制でなく働きながら学べる二部を選びました。当時、理工学部に二部があったのです。

どんな学生生活を送られたのですか?

ちょうど日大闘争の年に入学し、夏休みに入る7月から学校がロックアウト。それからずっと翌年の3月までロックアウトが続き、3月に両国の日大講堂で集中講義を受けて進級しました。
入学時から音響関係の会社でアルバイトし、4年生になって卒論を書く時まで相模原の工場で働きました。高校、大学とトータル7年間電気について学びました。

学生時代に遊んでいる余裕はなかったのですね。

エクシオジャパンの社内
エクシオジャパンの社内風景

そんな優雅な生活を送ったことはなかったですね。毎日、学校が終わって帰宅するのが夜11時近く。12時過ぎに寝て朝6時前に起きていました。土曜日には実験のレポートを書き上げて、そのまま寝ずにアルバイトに行くんですよ。そういう日々の疲れが溜まったんでしょうね。4年生の時、疲労で小田急相模原駅の階段をスムーズに歩けなくなったことがありました。その時は、みんなが階段を上がり終わってから、階段の手すりにつかまって一歩一歩、歩きました。高校時代に野球で体を鍛えたつもりでしたが、疲労も蓄積するとそんな状況なのかな。これも自分が蒔いた種なので。

理工学部を卒業後、法学部でも学ばれたそうですね。

理工学部の学生時代、法学部を卒業して理工学部に入ってきた友達がいました。彼は文系だったので理数系の科目が足りなくて編入できず、1年次から入ってきました。法学部在学中に弁理士試験を通った優秀な学生でした。その友達から法学部の話を聞き、法律を学んで悪いことはないだろうと思い、理工学部を卒業後、法学部3年に編入しました。
法学部では俣賀襄二先生のゼミに入り、経営管理を学びました。法学部に編入してからは、変電所の点検をする会社で2年間アルバイトをしました。以前、電気工事士の資格を取っていたのでそれが役立ちました。

卒業後は?

タクシー会社の人事課に10カ月務めた後、退職し、自分一人の会社を設立しました。27歳の時です。仕事内容は、ビルや工場などにある変電所の点検です。学生時代のアルバイトでやり方を身に付けていました。言ってみれば、アルバイトのおかげで現在の会社を設立することができたんです。

現在に至るまでの道のりは?

エクシオジャパン社屋
エクシオジャパン社屋

工場などに飛び込み営業で電気の責任者と話をし、顧客を開拓していきました。点検は一人だけでは間に合いません。土日に多い仕事だったので、週末休みの人をアルバイトで雇ってやりました。そのうちに人脈が出来て、独立して4,5年後には大手電機メーカーの仕事を受託するようになりました。
設立時の社名はハカル保安電気と言いました。社名の由来は計測の測ると親父の名前がハカルだったもので、ちょうど語呂合わせがいいので、それを掛け合わせたのです。4,5名の社員でやっていましたが、設立して十数年後、この社名で求人を出しても応募者が少ないため、テクノハカルエンジニアリングと社名変更しました。計測、電気工事を5,6年やったあとは点検専門にシフトしました。バブルが弾けたころ、エンドユーザーのための不動産会社を立ち上げようと始めたのが、エクシオジャパンです。そして4年前に2つの会社を合併し、現在の社名に統一したのです。その前の2004年には介護福祉事業を立ち上げており、現在は社員400名以上に成長しました。

会社を経営していく上で大切にされていることは何でしょうか?

本社前にて
本社前にて

経営者、社員が共に会社の依って立つ経営理念に基づいて、実践していくことではないかと思います。数年前、常務をヘッドにして社員6名でプロジェクトチームをつくり、我が社の経営理念、社是、社訓、行動指針を策定しました。ここには社員であると同時に人間が生きていくうえで必要なこと、あるべき原点が記されています。これを日々実践するよう努めています。同時に私は毎週土曜の朝6時半に倫理法人会の勉強会に出席し、社員は毎朝の朝礼で「万人幸福の栞」(倫理研究所)の17カ条を一章ずつ朗誦しています。こういう活動を通して職場風土を良くしていくことに努めています。グローバルスタンダードと言いながら拡大志向に走り、その実、拝金主義に染まっていく人が増えてきたように感じ、その結果、人々の心が荒んでしまうことを懸念しています。私は社員が人に迷惑をかけず、どこまでもいい人生を歩んで欲しいと願っています。

仕事以外で何か取り組んでおられることは?

相馬野馬追
鎧兜に身を包み騎馬武者姿の雄姿

生まれ故郷の南相馬では伝統行事の相馬野馬追が有名ですが、平成23年に起きた東日本大震災を期に私も騎馬武者として参加しています。この行事には毎年、五百余騎の騎馬武者が集まります。参加に当たり、具足を揃え、乗馬も練習しました。65歳からのチャレンジです。

最後に校友会に一言

あまり大層なことを言えませんが、校友会で団結して母校をよくしていきたいというのは、ある意味当然でしょう。ですが、その先にあるのは日本をよくすることだと思っています。

訪問を終えて

母校の掲げる目的及び使命に「日本大学は 日本精神にもとづき、道統をたっとび 憲章にしたがい 自主創造の気風をやしない‥」とありますが、但野様はまさにその精神を体現されているような方だと思いました。インタビューを終え、本社内を案内していただきました。本社屋上からは、大山がそびえ立つ姿を遠望でき、清々しさを感じました。

会社紹介

株式会社エクシオジャパン
住所(本社):相模原市南区東林間1-4-1
TEL(本社):042-742-6211
ホームページ:http://exeo-japan.com/

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