ホーム活躍するOB・OGたち  第3回

第3回 宴会を通して「心」も満たすことを目指したい!

農獣医学部食品経済学科 昭和61年卒業
(現:生物資源科学部食品ビジネス学科)
株式会社崎陽軒・本店  宴会支配人 金子 徳男氏

横浜で駅弁といえば「シウマイ弁当」。第3回は、100年以上にわたってハマッコに親しまれている老舗「崎陽軒・本店」で宴会支配人を務める金子徳男さんにお話を伺いました。

学生時代の想い出は?

私は十代のころから「食」に関することに興味を持っていました。大学進学に当たり、当時、食品関係について学べる大学といったら、日大の農獣医学部食品経済学科しかなかったので、迷わずそこに進学しました。
在学中は、1年次が藤沢で、2年から4年までの3年間は三軒茶屋に通っていました。
3、4年は、食に関するゼミに所属していたのですが、そのゼミがユニークでした。夏休みになると農家に泊まり込んで手伝いをしながら、その家がどんな生活をしているのか話を伺う、といった活動をやっていました。
農家の方々にとっては、いきなり知らない学生を泊めるのですから、今振り返ってみると、ずいぶん大胆なことをやっていたなと思います。日大の学生というだけで泊めてくれてしまうという有難い経験をしました。
農家の方々は、我々学生を相手にちゃんと話をしてくれるだけでなく、畑とか田んぼとかにも連れて行ってくれました。田んぼでは、稲の花がちょうど咲くころで、稲の花をその時、生まれて初めて見て感動したことを憶えています。

大学卒業後の進路はどのように決めましたか?

地元の横浜で就職したいという気持ちがあり、食品関係の仕事に就きたいと思っていたので、崎陽軒に入りました。
大学では、畑から作物を栽培し、流通に乗るという一連の流れを学んだつもりでしたが、実際に仕事に就いてみて、現実は必ずしもその通りではないということを知りました。
入社してすぐに中華レストランの調理場に入り、そこで1年3カ月、洗い物をしたり、ソバをあげたり、シウマイを蒸してみたり、鶏の足や骨を入れてスープを取ったり、といったことを経験しました。新人教育も、今ではだいぶ変わって、入社後半年間はいろんな部署を転々と経験するのですが、私が入った当時はまだそんな感じで育てられたのです。

現在の仕事についてお話下さい。

入社して26年経ちましたが、私はこれまで一貫してレストラン部門を歩んできました。先輩や同僚たちが製造や販売とか、さまざまな部署を異動したりする中で、レストラン一筋に歩んできたのは、この会社では私だけです。
それだけにサービスやホスピタリティに対する想いは人一倍、強いといえるかもしれませんね。
この仕事は、普通に出来て当たり前と思われてしまう。それをさらにここまでしてあげたら、お客様にもっと喜んでいただけるかもしれない。意気に感じてやる仕事かなと思っています。やはり人が好きじゃないとできない仕事ですね。
本店にはドアマンもいませんし、入ってすぐのところに売店があったりします。ホテルだと一歩足を踏み入れると別の空間に入った感じがしますよね。私どもは、ホテルよりも身近に感じる、親しみやすい感じを大事にしたいと思っています。

当社には経営理念がございます
「崎陽軒はナショナルブランドをめざしません。
真に優れた『ローカルブランド』をめざします
崎陽軒が作るものはシウマイや料理だけではありません。
常に挑戦し『名物名所』を創りつづけます。
崎陽軒は皆様のお腹だけを満たしません。
食をとおして『心』も満たすことをめざします」
と謳っています。

やはり地域に根差しているので、気取らずに使っていただけるような、けれども宴会という立場的には、横浜駅東口の名所となり、ホテル並みのサービスを崎陽軒らしく提供していきたいです。
その辺のバランスが難しいところですね。


上品で落ち着いた3階の宴会ロビー


素敵な置物

やりがいを感じるところは?

「おいしかったよ」といわれるより、期待以上のものをコーディネートし、「今日は楽しかったよ」と言われることの方が嬉しいですね。
ここまでやってあげてもったいなかったなあと思いながらも、「よかったよ!」と言ってくれたら「やってよかったんだ」という感覚。人生意気に感じる瞬間だなあと思います。ぜひ私にお願いとのご指名をいただけたら一番嬉しいですね。
自分が顔を売らなければいけない立場であるし、その一方で若手を育てなければいけない。もちろんそれだけでなくて、会社側に立って数字も見なければいけない、というのが今の私の立場です。
ただお客様に対してということであれば、ご指名で宴会にお越しいただけるというのは本当に有難いですね。特に校友関係でお越しいただけると感謝というか、そこにつながりを感じますね。おかげさまで校友会がご縁でお付き合いいただいているお客様もいらっしゃいます。

これからやりたいことをお話下さい。


私にお声掛け下さい

弊社はシウマイとシウマイ弁当のイメージが強く、宴会や婚礼もやっていることをあまり知られていない。「ウチにはチャペルがあるんです」といっても初めて聞いたという人が多い。その辺をこれから広めていかなければいけないと思っています。ぜひ皆さんのお越しをお待ちしています。

訪問を終えて

崎陽軒さんには十数名の日大OBが在籍。さらに近年は毎年のように卒業生が入社されているとのこと。また校友会神奈川県支部総会では毎年、名演奏を披露してくれる吹奏楽研究会の学生さんにお弁当を提供していただいています。横浜駅周辺で宴会をお考えの方、ぜひ金子さんにお声を掛けてみてください。

店舗紹介

株式会社 崎陽軒・本店
住所 :横浜市西区高島2-13-12(横浜駅東口の階段を上がり、横浜中央郵便局の方へお越し下さい。郵便局の向かいです)
TEL : 045-441-8880
FAX : 045-453-7808
営業時間 : 11:00~22:30
定休日 : 1月1日
URL : http://www.kiyoken.com/

活躍するOB・OGたち一覧へ