ホーム活躍するOB・OGたち  第39回

第39回 社会基盤の一番身近な道路建設の魅力ややりがいを伝えていきたい

理工学部土木工学科
昭和56年卒業
東亜道路工業株式会社
代表取締役社長
森下 協一氏

独立系の大手道路舗装会社として東証1部に上場する東亜道路工業株式会社。
平成29年6月に同社の社長に就任した森下協一氏にお話しを伺いました。

進路はどのように決めて進みましたか?

私は横浜生まれの横浜育ちです。横浜緑ヶ丘高校を卒業しましたが、その頃から将来は外でモノ造りに携わりたいと思い、日本大学理工学部土木工学科に進学しました。
卒業時は土木を専攻した同級生の多くが役所や大手、中堅ゼネコンに進んでいました。そんな中、皆と違う道へと考えて、唯一親会社を持たない道路会社の当社の面接を受けました。当時、理工学部土木工学科からは10年ぶりとのことで歓迎され、会社の雰囲気と対応の良さにひかれて入社を即決意しました。
道路は人々が生活する上で必要不可欠な社会基盤であり、道造りを行っていくことは自分にとっても可能性にチャレンジし新たな道が開ける気がしました。

現在の仕事についてお話し下さい


デザインも特徴的で素晴らしい本社ビル

当社は全国エリアに事業所を設けて活動しており、主に工事部門と製品部門2つの部門があります。工事部門は高速道路、国道、県道、空港などの舗装工事、サッカー場や陸上競技場、テニスコートなどのスポーツ施設工事、新幹線軌道工事、その他メガソーラー土木工事、また海外工事でもエルサルバドル空港、タイ高速道路、台湾新幹線軌道工事なども行ってきました。
製品部門は日本で初めてアスファルト乳剤を製造・販売した道路舗装材料メーカーとしての側面を持ち、道路の材料を素材から開発して新たな利便性や価値を生み出し、街づくりへの貢献をはたしています。
建設会社でありながら、化学の製品も製造しており、自由闊達な発想から技術革新を実現してきた会社です。

私自身は昭和56年に入社以来、道路を中心に空港、スポーツ工事の現場を担当した工事畑で、平成21年に中国支社長(執行役員)になり、その後、工務、営業、技術、製品事業、関係事業と各本部長を経験し、60歳になった平成29年6月より当社の社長に就任しています。

学生時代はどのように過ごしましたか?


学生時代のお話しをされる森下氏

海が好きで理工学部のヨット部へ入りました。20名程の部員で平日は筋トレなどをして身体を鍛えて、週末は葉山の森戸海岸、また合宿は千葉の館山まで行っていました。
当時はお酒も弱く、どんぶりで飲んだ後、海岸の砂浜で星がぐるぐる回るのを見ながら朝まで寝て過ごしたことなど思い出もいっぱいあります。今のように設備が整った時代ではなかったので、合宿所の部屋やトイレも汚く、そのおかげで入社後の工事現場宿舎はなんの抵抗もなく暮らせました。

アルバイトは土木作業員から陸送業、家庭教師などいろいろやりましたが、一番印象に残っているのは、夏休みになると伊豆下田の先輩のところで漁師の手伝いをしたことです。
その体験からでしょうか。入社後1年目に三宅島へ仕事でテニスコートを作りに行った時、休みには釣り三昧の日々を過ごし、会社生活でも釣りなど海とは切っても切れない存在です。
さすがに釣りの機会は減りましたが、現在もスポーツジムやゴルフなど身体を動かすことが好きで、体重も筋肉が贅肉に変化しましたが、変わっていません。
他には見聞を広げたくて、東南アジア、インドなどの旅にも行きました。言葉の壁や文化の違いなど肌で感じ、その時の経験が現在でも海外工事への思いとして生きていると感じています。

校友会に参加されて感じていることをお話し下さい

人生の大先輩が多く、62歳の私はまだまだ校友会では若輩者と感じており、今後精進していかなければと思っています。
後になって分かった人も多数いますが、全国何処に行っても先輩・後輩がいて、仕事をしていく中で助けられたこともたくさんありました。
前々社長も日本大学の卒業生であり、現在当社には日大OB・OGが79人在籍しています。

その中には、当社が力を入れて取り組んでいるスポーツ施設の仕事に携わりながら陸上競技で東京オリンピックを目指している社員もいます。また、2017年より理工学部交通システム工学科の授業の一環として、乳剤・合材工場の見学後、当社技術研究所にて道路に関する勉強会を開催しています。その時にも「社会基盤の一番身近な道路建設への仕事の魅力ややりがいを語り、是非当社に限らず道路建設業へ就職してほしい」と伝えています。
今後も校友会に参加していく中で、様々な世代の方々と交流を深めさせていただければ幸いと思います。

これからやりたいことをお話し下さい


社会インフラとしてあらゆる所で活躍する東亜道路工業(株)*同社HPより

社長に就任し、責任の重さを実感しています。昨今自然災害が多発しており、道路関係の事業者として昼夜を問わず多くの従業員は現場へ真っ先に駆けつけ、復旧活動に従事したり、ボランティア活動を行っています。突然の災害などに機敏に対応する従業員には感謝しています。今後とも社会的責任を果し、社会に誇れる会社にしていかなければと日々感じています。
そこで、まずは従業員が気持ちよく働ける労働環境の整備をしたいと思っています。当社は2020年に創立90周年を迎えます。次の世代が100周年に向けて更なる飛躍ができる土台をつくることが責務と思っています。
また、日本大学卒業生をはじめ皆様とのご縁ができればありがたいと思っています。

お話しを伺って

工事現場へ若い大卒者が監督の立場で行くのはいろいろと苦労することが多いと思います。そんな中、入社間もないころの現場でも皆さんに溶け込み、スムーズに工事が進められたそうです。今回お話しを伺っていてもざっくばらんで謙虚なお人柄が周りの人たちを引き付けていることを感じました。入社後も採用の恩返しをしたいとの思いで、何事にも前向きに取り組んでこられたそうで、幅広い視野と前向きな姿勢が従業員約1,000人のリーダーになる原点と思いました。

会社紹介

東亜道路工業株式会社
住所:東京都港区六本木七丁目3-7
TEL:03-3405-1811
ホームページ:http://www.toadoro.co.jp/

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